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資本金の疑問をスッキリ解決!
資本金はいくらにしたらよいか?
資本金は会社をスタートさせるために必要なお金です。
以前は、最低資本金制度というものがあったので、株式会社を設立するには1000万円が必要でした。
ですが、現在はこの制度が撤廃されているため、法令上は資本金1円でも良いとされています。
でもさすがに1円や1万円ではあんまりですよね。
イメージ的なものもありますが、ちゃんとした理由もあります。
まず一つは、会社の設立登記が完了した後は、日本全国どこからでもあなたの会社の謄本(「登記事項証明書」といいます。)を見られるようになることです。数百円で誰でも見ることができます。
例えば、あなたの会社と取引をしようとする会社が、あなたの会社の登記事項証明書を取得したとします。
そのとき、資本金の欄が「1円」や「1万円」となっているのを見たら、あなたの人柄や実績をよく知らない限りは、おそらく取引したいとは思わないでしょう。
まずそれが一点です。
次に、金融機関に対してや資金繰りの問題です。
会社が決算をしなければならないのは基本的には年一回、まあ一般的には会社設立から概ね1年後だと思います。
ただ、会社のほとんどは1ヶ月サイクルで売り上げや経費の締めを行います。
これを「月次決算」と言いますが、同様に、3ヶ月ごとを「四半期決算」、6ヶ月を「中間決算」、で、本来の1年ごとの決算を「年次決算」などと言います。
基本的に「年次決算」のほかは義務ではないのですが、仮に会社設立の1ヶ月後に月次決算をしたとしましょう。
会社の通帳もできてるかどうかの時期で、売上もまだ思うように上がっていないケースが多いです。
そうすると、1ヶ月目で赤字となり、その赤字の金額が資本金を上回ると「債務超過」と言われる、とってもよろしくない状態となってしまいます。
そもそもの資本金の低さもあり、仮に銀行にお金を借りようと思っても普通には貸してもらえないでしょう。
また、売上等の収入はなくても設立後に色々なものを買いそろえたり、給料や仕入れ代金の支払いでお金は必要だったりしますので、資本金が少ないと、この時点で会社の資金自体が足りなくなります。
会社設立して、僅か1ヶ月足らずで会社の資金が底をつくような資本金の設定は明らかにミスです。
これが資本金が少額ではダメな理由です。
それでは、この資本金、一体いくらにすれば良いのでしょうか?
実はこのご質問、非常に多くいただきます。
「○○円にして下さい。」と明確な額をご提示したいところですが、下に挙げるいくつかの重要な視点からそれぞれのケースに応じて決定されるのがベストだと言えます。
営業許可の問題
まず、最も重要なところですが、始めようとする事業が「建設業」や「貨物運送業」などの場合、その営業許可を取得するために必要となる資本金の要件があります。
(詳しくはこちら)許認可が必要となる事業を参照
したがって、やろうとする事業によっては、慎重に資本金の額を決める必要がありますし、もし営業許可に必要な要件があるのであればその額が資本金にすべき額となります。
また、営業許可ではありませんが、外国籍の方が日本で会社の経営者となりたい場合には、在留資格を「経営管理」というものに変更する必要がありますので(例外あり)、この場合にも500万円程度の資本金を用意する必要が出てきます。
したがって、これらに該当する場合は要件に定められた一定の額を資本金とする必要があります。
税金負担の観点
資本金の額が1000万円以上だと1年目から消費税の課税事業者となってしまいます。
そうすると、売上と一緒に預かることとなる消費税を1年目から国へ納める義務が生じます。
義務のない「免税事業者」であれば、この預かった消費税は経営の足しにすることが許されるお金なので、このことから、一般的には1,000万円以上にすることはしません。
ただ、今後は、令和5年10月から「インボイス制度」なども開始されますので、経営戦略的にも一概には言えなくなりますが、それでも令和3年などにわざわざ1,000万円以上の資本金にする理由は少ないと思います。
また、さらに、資本金の額が1000万円を超えていると、(※「以上」と「超える」の違いに注意!) 支払うべき法人税等の金額まで多くなります。
ほかにも税務上の不利が生じたりしますので、特別の事情が無ければ資本金の額は1000万円未満とされることをお勧めします。
信用上の観点
資本金の額は社会的な会社の信用度にも影響してきます。
これは前述した件と同様になりますが、例えば、ある会社があなたの会社と取引をしようとする際に、最寄りの法務局で、もっといえばインターネットですぐにあなたの会社の資本金を調べることができます。
そのときに、資本金の額が1万円とか10万円なんかでは「この会社大丈夫か?」と思われかねないわけです。
しっかりした会社は、このように相手の「登記事項証明書」を取得して、「与信調査」をします。
中には、資本金がいくら以上の会社としか取引しないというようなルールを定めている会社も存在します。
また、日本政策金融公庫など金融機関から公的融資を受けようとする場合などにも資本金の額が影響します。
したがって、資本金の額をあまり低い額とするのは避けたほうが良いでしょう。
経営上の観点
事業を始めるにはいくらかの資金が必要です。
業種により商品の仕入れ、人の採用、機械の購入、事業所の賃貸、そのほかにも色々・・・。
もっと言えばそれプラス3~6ヶ月分の事業運営費。
いきなり十分な売上が立てられるとは限りませんので、経営上いくらかの運営資金も用意しておくべきです。
それらに必要と考えて準備されたお金を資本金の額とされるのが堅実でスマートだと言えます。
そもそも会社を設立するのに少なくとも20~30万円はかかるわけですから、いくら可能だとは言っても資本金が1万円や10万円というのは考えにくいと思います。
資本金は使ってもいい?
会社設立の際に個人の口座へ入金することとなる資本金。
会社設立後は会社名での口座を開設し、先ほどの資本金をこちらへ移します。
この資本金、そのまま動かさずに取っておかなければならないのでしょうか。
いいえ、設立の登記さえ終わってしまえば、全額自由に使うことが出来ます。
資本金の入金とは別に、会社設立前に個人が支払った専門家への会社設立費用や事務所を借りる際の敷金や前払い家賃などもこれらは会社の経費となりますから、資本金として入金したお金から、あとで個人に対して精算することもできます。
但し、出資者への資金の返還は後述する「減資」となり、勝手にはできませんのでご注意ください。
資本金はあとで増やせる?
創業時に決定した資本金は、あとで増やすことが出来ます。
「増資」と言われるものです。
自分でお金を入れることはもちろん、ほかにも「第三者割当」という方法で新たな出資金を募ったり、それまでの経営により生み出した利益を資本金に組み入れたりするなどして資本金の額を増やす方法があります。
例えば、極端な話ですが、最初は飲食業を資本金300万円で始めたが、その後すぐに事業拡大で建設業にも手を広げたいこととなったため、200万円を増資することで資本金を建設業許可要件である 500万円という額まで増やし、それから建設業の許可申請をする。といった場合や大きな取引先と契約したいが、その条件となっている資本金の額に足りていないので増資する。というような場合などにも考えられます。
資本金はあとで減らせる?
増資とは反対に、創業時に決定した資本金はあとで減らすこともできます。
「減資」と言われるものです。
手続きは少し大変ですが、経営上膨らんでしまった赤字を減らしたり、出資者へいくらか返還するような場合などに使います。
まとめ
さて、いかがでしょうか?
以上の視点からの結論としては、特別な事情の無い限り100万円~500万円程度の範囲で決定されるのが良いと考えます。
大きな仕入れを必要とする事業をされる場合は、500万円~999万円といったところでしょうか。
少なくとも、1,000万円以上にされることだけは避けた方が良い様に考えます。
なお、ときどきこのことを理解されているのにも関わらず、「1,000万円」の資本金で会社を作られている方がいます。
これは、「以上」と「以下」「未満」などの錯誤、勘違いによるもので、とてももったいないのでご注意ください。
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